▲ガラスのエッチング
街角で外観やショーウィンドウのディスプレイを見るだけで入ってみたい♪素敵すぎて入るのがドキドキ♪など、ときめくお店と出会うと、今日は出かけてみて良かったな~と思うことはありませんか。
こちらもそのひとつ。こんなアンティークガラスが入っているお店を見たらきっと「絶対に素敵なお店に違いない♪」とワクワクしそうです。
エッチング技法で装飾されたガラスは、色を使ったステンドグラスとは違う魅力があります。
そもそもエッチングとは削ったり溶かしたりすることで素材の表面に凹凸を付けて模様を作ることですが、ガラスエッチングは特殊で、強力な薬品で素材を腐食させて模様を作り出します。それは昔から大変危険な作業でした。その危険を回避するため、最近は専用のエッチングクリームが用いられています。
また、ガラスの彫刻・加飾の技法もいくつかあります。代表的なのがサンドブラストでしょうか。
サンドブラストは元々は1870年にアメリカで船舶用の錆落としのために考案されたもので、表面に砂などの研磨材を吹き付ける加工法です。
20世紀に入ってからガラス工芸に使われ始めたと言われています。
近年では、サンドブラスト加工もエッチングと呼称されているほど普及しています。
他にもヨーロッパで古くからあるパントエッチングはアンティークグラスに施されていることがありますね。
これはガラスにワックスを塗布し、模様になる部分を彫刻針で削っていきます。
その後、アシッドエッチングと呼ばれる酸に浸して腐食させワックスをお湯で洗い落とす工程です。この技法をアシッドエッチングと呼ぶ人もいます。
ちなみに、このパントエッチング技法を19世紀末のヨーロッパで初めて機械化したのがスロバキアのガラスメーカー「RONA社」です。
技術や化学の発展により、創造するものの幅が広がると共に、作り手の安全性も高まりますね。
こちらのお品がどの技法で作られたか定かではありませんが、おそらくサンドブラストではないでしょうか。
エッチングで描かれた繊細で優雅な雰囲気のステンドグラス イギリスアンティーク(住宅窓) 50.5cm×149cm
▲「Amitie 友情」
アンティークガラスに花模様や洗練されたデザインが施されているものが多い中、こちらの写真のように美しく文字が装飾されたガラスがあることもしばしば。
例えばヴィクトリア女王の在位50周年の記念品として作られたガラスカップにはその内容の文字が、また結婚などの記念としてでしょうか、イニシャルが入っていたり。
現在の記念品はクリスタルを使うことが多いかもしれませんが、中にはビアグラスやワイングラスなどに名前を入れた記念品を作られる方もいらっしゃいますね。グラスの品質にもよりますが一つ3,000円以上が相場でしょうか。
当時のヨーロッパですと、産業革命後のものとはいえ、相当高価なものだと思うのですが…
今も昔も、おそらく人生のビッグイベントに作るものかと思いますが、こちらのグラスはそのシチュエーションが私には想像つかないのです。
「Amitie」とはフランス語で「友情」です。
「友情」と入れたグラスを贈るシーンとは…??
例えばビックイベントを仲間と共にやり遂げた証? 何かのチームの証?
日本とフランスでは「友情」という概念が違うのでしょうか?
もう少し深堀りしたいと思っています。
何かご存じの方がいらっしゃいましたら、メールなどで教えていただけると幸いですし、今後ヒントになる事がありましたら、このメールマガジンでお伝えしたいと思います♪