今、フランスで絶大な人気の塗装をはがしたオーク材の家具。無垢とも異なる素材さと味わいを併せもった質感の魅力に迫ります。
このカップボードの風合い、とても素敵だと思いませんか? もともとは、ステインとニスで仕上げた、ツヤのあるオーク材のアンティーク家具でした。
当時の塗装を剥がしてワックスで仕上げたのが、今回ご紹介する「レ マーブル デカペ(剝離家具)」と呼ばれるものです。
この仕上げをした家具が今、フランスでは人気を呼んでいます。
フランスらしい装飾のあるアンティーク家具は、ともすれば重厚な印象になりがちですが、剥離したものはツヤのない木地が現れて、優雅でありながらも素朴。
かといって、無垢の木目とも異なり、年代を経た味わいはしっかりとある……。
そんな、アンティークの両極の魅力を兼ね備えているように感じます。
ポイントはオーク材。深みのある茶色のイメージですが、剥離された風合いはパイン材などとはまた異なる落ち着いたシックな色合いに変化します。
私は、この剥離されたオーク材の風合いが大好き。
カジュアルになりすぎないところも、材質のよさを感じられるから。
ショップでは、さまざまなオーク材の剥離家具を仕入れました。
実際にごらんになったお客さまは、この微妙なニュアンスに新鮮さを感じられるよう。シャビーなインテリアに似合うのも、流行りの理由かもしれません。アンティークにも新しいムーブメントが生まれるのです。
写真のカップボードは、私自身がひと目ぼれして自宅用に買いつけた一台。
来客用のスリッパなどを収納するのにぴったりで、今はわが家の玄関の新しい顔になっています。
密で堅いオーク材ならではの細かなレリーフも、剥離されるとほどよい雰囲気に。扉のある家具は、カップボードと呼ばれています。
デコラティブな装飾のある家具でも、どこか素朴な雰囲気。 それをかなえるのが剥離家具の特徴です。
デコラティブなフォルムでも、こなれた印象なのは剥離家具ならでは。
部屋の中心になるテーブルも、シックな色合いなら取り入れやすい。
この落ち着いた色が、モダンなインテリアにも似合います。
無塗装とも違う、細かなレリーフに残った塗装もまた味わい深い。
人気のガラス扉のキャビネットも、剥離されたものを見つけました。
塗装している家具
わが家のカップボードとほぼ同じデザインで、剥離されていないのが、こちら。 色合い、ツヤがしっかりと出ているので、重厚感があります。
コレクションしているもの
ここで私が個人的に集めているものを、ちょっとご紹介。 イギリスのチョコレートメーカー「キャドバリー」のノベルティグッズ。
とても小さな動物たちですが、なんとも心ひかれるのです。
アンティークの刺しゅう図案は趣味が高じて収集。
古い紙自体が雰囲気抜群なので、ディスプレイや雑誌の撮影にもおすすめですよ。