▲イギリス帝国の絶頂期『ヴィクトリア朝』(1837~1901年)
映画「ヴィクトリア女王 最期の秘密」。
ご覧になった方もいらっしゃると思います。
主演の大女優ジュディ・デンチの存在感ですぐに物語に吸い込まれました。
しかし困ったことに、時代背景が題名のとおりヴィクトリア朝です。
あらゆるシーンに家具や雑貨、ステンドグラス、食器にカトラリー、アクセサリーと、気になるものがたくさんあり、2度鑑賞しました。
一度目は映画の内容、2度目は家具などのチェックです。(*^^*)
当店のオーナーが見たらきっと「この映画の小道具、全て買いつけたい♪」と思うはず(*^^*)
その中のひとつが画像のようなステンドグラスです。
映画では、書斎や仕事部屋、寝室など、公でない空間がいくつも出ていました。その中に女王が仕事をする部屋で、デスクに座る女王の背景に見えたステンドグラスがこのような特徴のデザインでした。
色を使った縁どりと幾何学的な模様が印象的です。
このようなタイプを当店でもヴィクトリアンステンドグラスとしてご紹介しています。
王侯貴族の暮らしへの憧れから、一般市民の家でもこのようなデザインのステンドグラスが人気を集めたのでしょう。
このように映画を見てアンティークを楽しむのも、なかなか良いものですね♪
<上記写真の商品はSOLDとなっております。ご了承ください。>
▲バルーンバックチェア*イギリスとフランスの特徴
1830年中頃から1860年に流行したと言われるバルーンバックチェアも映画の中で登場しました。
上のステンドグラスがある仕事部屋で、80歳前後の女王がバルーンバックチェアに座り職務をこなしているシーンです。
女王は1837年に即位されているので、そこから在位期間64年という長きにわたり、もしかしたらバルーンバックチェアを愛用し続けたのかしら…と、想いをはせてしまいます。
フランスアンティーク家具にもバルーンバックチェアがありますね。
フランスの場合、イギリスと比べると繊細な装飾に曲線美が優雅で、ベッドルームに置いてガウンをかけたりと、観賞して楽しむ要素も大きいです。
同じバルーンバックチェアでもお国柄が出ますね。
前々回のメルマガで万博について記載致しました。1851年に第1回国際博覧会がロンドンで開催され、ニューヨーク、パリと続き再び1862年にロンドンで開催された時、それまでフランス製品の特徴であった「芸術性」に対して、イギリス製品が追いついてきたと評価されたそうです。
実は第1回ロンドン万博で芸術面で遅れをとっていたイギリスはその後、国家をあげて産業芸術に取り組み、
その成果が第4回パリ万博で認められた訳です。
芸術面で常に優れていたフランスは、それを機に国家をあげて芸術教育に更に力をそそぎます。
外国文化の刺激を受け、それを受け入れて独自の文化を発展させていくことが活発に行われ始めた時期かもしれません。
先人たちの切磋琢磨のおかげで、良いものに恵まれる機会が多い時代に感謝です。
そして後世につなげていきたいですね。