春を感じるアンティーク

2023年2月27日

▲イギリスの春♪

イギリスの春の花でステンドグラスのデザインにもよく使われてきたチューリップ。

チューリップの原産地は北緯40度線に沿ったエリアで、特にトルコから中央アジアにかけた地域です。

トルコの伝統的な絵柄のタイルにはチューリップがデザインされており、国の花でもあります。

チューリップが国花の国は他にも、アフガニスタン、イラン、カザフスタン、オランダなどがありますが、一般的にチューリップと言えば、世界一の生産量を誇るオランダをイメージする方が多いかと思います。

そんなオランダにチューリップが伝わったのは16世紀末のことでした。

オスマン・トルコ帝国に神聖ローマ帝国の大使として駐在していたオジエ・ギスランド・ビュスベクが、ヨーロッパに球根を持ち込みました。

当時は珍しい花として珍重され、富の象徴として貴族などの庭園でしか見ることができませんでした。

その後、ビュスベクから球根の贈与を受けたフランス人の植物学者カロルス・クルシウスの著書で紹介されると、一気に人気が高まり、球根の価格も高騰しました。
球根ひとつが、小さな家が一軒買えるほどの価格になったことも。

それが世界初のバブル、「チューリップバブル」(1636～1637年頃)です。

なぜそんなに高騰したのでしょう。

当時のオランダは「オランダ黄金時代」。
西ヨーロッパの経済の中心で、さまざまなビジネスが展開されました。また、商品市場、証券市場、金融商品市場などの取引所でもあったアムステルダムでは、投機熱が爆発する要素が既に備わっていました。

そんな中、当時では珍しい花であったチューリップは富の象徴となり、
またその花弁の柄や色合いなどが珍しいものは更に高値で取引され、投機の対象として重宝されました。

高騰しそうな珍しいチューリップを育てる栽培家、一攫千金をねらい球根を育てる一般市民、投資をするイギリスをはじめヨーロッパの資産家たち。世界初のバブル、どんな様子だったのでしょうね。

これを機にチューリップが世界に広がりましたが、春の花として現在も愛されているのは、チューリップ自体の魅力が心に響くからでしょうね。

普段、チューリップを見て歴史まで思い浮かぶことはありませんが(^^)
イギリスのステンドグラスの模様にチューリップが使われた理由のひとつを知っていると、愛着が増しますね(*^^*)

▲フランスの春♪

フランスに春を告げる花のひとつが「ミモザ」。南フランスにはミモザ街道、ミモザ祭りがあるほど、ミモザが咲き誇るそうです。綺麗でしょうね。チェルシーオールドのお庭にも、ミモザが咲いていますよ♪

さて、こちらは「バルボティーヌ」のお皿です。バルボティーヌとは、テラコッタの上から泥しょう(スリップ)をかけ、曲面の上にまるで絵画を描くように絵付けをする技法です。

起源は16世紀の陶工ベルナール・パリッシー作、ルーブル美術館に展示されている「田園風土器」と言われています。

後に陶芸家エルネスト・シャプレがバルボティーヌ技法を発明。
アビランド社が1874年にシャプレの技術を買取って彼を雇い、フランスでバルボティーヌ技法による印象派の絵画のような絵付けの陶器を制作し始めました。

バルボティーヌ技法はフランスの他の窯元でも作られ、また外国にも広がりました。例えばイギリスでは、18世紀末にウェッジウッドによりマジョリカ焼きと称し広がったのが有名です。

店内にはイチゴの他にアスパラ、洋ナシ、植物などの絵付け皿があり、それを見ると春を感じる感覚のように心が晴れやかになります。
だからでしょうか。初めてこのバルボティーヌ皿を見た時、ミモザサラダも合うかもしれないと思いました。春らしくないですか(*^^*)

ちなみにミモザサラダは旧ソ連で生まれたお料理で、色んな野菜を重ねた上にゆで卵の黄身を刻んだものをのせますが、その黄身の下には白身を刻んだものをのせるそうです。それは雪を表現していて雪の中から春の植物が芽を出すイメージにもとれませんか？

フランスのミモザサラダはそれとは少し形が違うようですが、自然界をお料理や陶器に表現する心は世界共通ですね♪

バルボティーヌ皿については、商品ページにもご紹介しておりますので、そちらもご覧ください。

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