▲ドイリーを手仕事で
まず初めにドイリーのご紹介です。
ドイリー(doily)は、卓上用の装飾された小さな敷物で、考案者である17世紀後半の服地商人ドイリー(Doyly)の名が由来のようです。歴史が古く、ドイリーさんについての文献は見つけられていません。何か分かりましたらご紹介したいと思います。
本来はデザート用の小ナプキン、食卓のフィンガーボウルなどの下に敷く敷物のことをドイリーと言いましたが、現在では使い方も多様化し、小形で装飾のある敷物の総称として「ドイリー」が使われています。
例えば整髪剤による汚れを防ぐために椅子の背もたれと肘掛けに用いられたり、花瓶やコップなどを無垢材の家具に置く場合に水分がつくのを防ぐために敷いたり、インテリアとしてアクセサリーなどの小物を置いたりします。また、イギリスの伝統的な花束には紙製のドイリーで花の茎を包んだタッジーマッジーがあります。
最近では、タッジ―マッジーのようにプレゼントのラッピングとして紙製のドイリーを活用する場面も見かけますね。
さて、こちらの画像は葉っぱ模様のダマスク織に可愛らしいレースで縁どりされたドイリーです。
ダマスク織とは日本で言う「緞子」(どんす)です。工芸品=手仕事ですね。
「金襴緞子の帯しめながら、花嫁御寮は何故泣くのだろ♪」1923年(大正12年)に発表された日本の抒情歌「花嫁人形」が流れます(^^♪由紀さおりさんと安田祥子さんが歌われているのを聴いたことがあります。
この歌からも想像ができますが高級織物です。こちら金襴は使われていませんが、ダマスク織はおそらく上流階級で使われていたと考えられます。ダマスク織とレースを組み合わせた贅沢なドイリーです。
ぜひ日常で楽しんでください。角度によって模様が浮き上がるように見えまますので、どんな模様なんだろうと、じーっと見つめてみるのも楽しみのひとつですね。
<上記写真の商品はSOLDとなっております。ご了承ください。>
▲テーブルクロスを手仕事で
テーブルクロスの起源はわかりませんが、8世紀のヨーロッパでは使われていたようです。
貴族はパンをテーブルクロスの上に直接置いてお皿代わりにしていました。
また、フォークなどの金属食器が使われるまでは手で掴んで食べており、汚れた口や手をテーブルクロスで拭くという習慣もあったようです。
13世紀頃のヨーロッパでは、法律によって純白のテーブルクロスは貴族だけが使用を許されていました。ダマスク織や家紋入りの純白のテーブルクロスは貴族の特権であり、象徴でした。
そんなテーブルクロスで口や手を拭いていたのです。テーブルクロスは汚れます。しかし、そんな生活が最高の贅沢とされていたようです。(理解に苦しんでいます(^^;)
現在では、こういった背景からイギリスでもフランスでもフォーマルな席ではダマスク織の純白のテーブルクロスが使われることが多いようです。
さて画像のテーブルクロスは、クロスステッチの手仕事による優しい雰囲気と飽きのこないデザインです。きっとこのテーブルを囲む人々は穏やかな笑顔になりそうな…そんな魅力を感じます。
同じテーブルでも用途に応じたテーブルクロスを選ぶことで、何通りもの楽しみ方ができますね。刺繍やレース編みなど、手仕事の素晴らしさを再確認です。
▲花嫁道具を手仕事で
パトリックとベルナデット? パトリシアとベルナール?(^^♪
アンティークリネンのイニシャル刺繍を見ると、どんな名前の二人が結婚して、その後どんな人生を育んだのかイメージを膨らませます。
かつてヨーロッパでは、シーツやタオルなどの取り扱い方が上手い主婦は家事能力が高いと評価されていた程で、嫁入り道具としてリネン(麻)をたくさん持たせる習慣があり、更にはおばあちゃんが嫁入り道具で持ってきたリネンを孫に受け渡すこともあったそうです。
またフランスの女の子は幼い頃から祖母や母から刺繍を習い、結婚が決まると自分で二人のイニシャルを刺繍して嫁入り道具の一つににする習慣がありました。
リネンの歴史は古く、古代エジプトから使われています。綿よりも固いけれど非常に丈夫なため扱い方次第で長く使え、更に肌触りがよく、高級繊維として扱われてきました。そしてシーツやタオルの多くがリネンで作られていました。
生まれ育った家で世代を超えて手から手へ伝わる刺繍を結婚前に施す時間。ゆったりと豊かな時間の中で何を想って刺繍をしたのでしょうね。
日本の結婚の形もシンプルになったように、今はこの習慣は殆どないようです。しかし時代は繰り返します。少し形を変えて、伝統が伝わる手仕事が見直される時がくるかもしれませんね。
<上記写真の商品はSOLDとなっております。ご了承ください。>