
BABYCHAMについて(スパークリングペリー)
ロンドンから西へ約200km程の所に位置するサマセット州シェプトン・マレット。
そこに14世代以上に渡り飲料関連産業に携わるシャワーリングス家があります。
1940年代、シャワーリングス家ではアーサー、ハーバート、ラルフ、フランシスの4兄弟が地元でパブを営む父親のもとで育ちました。
兄弟のひとり、ハーバートは事業のアイデアを思いつき、弟のフランシスを誘いました。化学者を目指していたフランシスはすぐにシャワーリングスの全製品の開発を担うようになりました。その中には、戦後のイギリスで女性向けの画期的な飲料であった「BABYCHAM」も含まれていました。
◆ハーバートの事業のアイデア、女性向けの画期的な飲料とは?
第二次世界大戦中、戦地に赴く男性にかわり多くの女性がそれまで女性には無理と言われてきた仕事をすることで国を守っていました。
男性と同じ仕事をするようになると、仕事終わりにパブに行くようになりました。
それまでのイギリスでは、女性がパブに行くのは淑女らしくないということでタブーでした。稀にパブに行く場合でも、男性のパートナーと一緒に行き、男性が代わりに飲み物を注文しなければなりませんでした。
1945年終戦後、時代が変わり、女性たちはパートナーとパブに入り、家族や友人と自由にお酒を楽しむようになりました。
ハーバートは、女性の社会的地位と行動のこうした変化を目の当たりにし、シャンパンのように飲みやすく、女性だけを対象とした飲み物を開発することを決めたのです。
◆BABYCHAMの誕生
当時、シャワーリング兄弟はアップルサイダーのみを製造しており、地元の果樹園にリンゴを買いに行った際、廃棄される梨に気づきました。兄弟は梨で作れるのでは?と考え製品開発をし、更には最適な梨を地元で栽培、それをベースにしたドリンクを作りました。これがベイビーシャムの物語の始まりです。
◆BABYCHAMという名前
当初、「BABYCHAM」は「シャンパーニュ・ドゥ・ラ・ポワール」という名前で販売されていました。これは、発酵過程で発生する天然ガスにインスピレーションを得たものです。
兄弟はずっと、その名前は長く、特に混雑したパブで飲み物を注文する際に発音しにくいと感じていました。広告代理店が工場を訪れ、新しい名前を考えようと何時間もアイデアを出し合いましたがなかなか決まらず…
会議を終わろうとした頃、工場の輸送責任者が「ベビーシャンパンをどこに送りたいですか?」と兄弟に尋ねました。
製造スタッフは、シャンパーニュ・ドゥ・ラ・ポワールの大きなボトル(750ml)を「ビッグシャンパン」、小さなボトルを「ベビーシャンパン」と呼んでいました。
これをヒントに「BABY CHAM」が誕生し、その名が定着しました。
◆BABYCHAMのロゴマーク
女性向けの商品である「BABYCHAM」のロゴには愛らしく描かれた鹿が。
これは中国水鹿(Chinese Water deer)にインスピレーションを得て作られました。Chinese Water deerは1870年代に初めてイギリスに輸入され動物園で飼育されていましたが、だんだんと数が増え今は野生化して数多く生息しているようです。
◆テレビで放映された初のアルコール広告
マーケティングに長けたハーバートは、「BABYCHAM」をテレビで宣伝するという画期的なアイデアを打ち出しました。
兄弟は当時ロンドンに拠点を置く最高の広告代理店に連絡を取り、オーナーのジャック・ウィン=ウィリアムズに自分たちのアイデアを売り込みました。残念なことに兄弟には代理店から提示された予算はありませんでした。
しかし、代理店のジャック・ウィン=ウィリアムズは兄弟と「BABYCHAM」の可能性に気づき、会社に賭け、無償で引き受けることに同意したのです。
このようにして、初のアルコール広告が放映されました。
感謝の気持ちでいっぱいのハーバートは、ジャック・ウィン・ウィリアムズに、売上が100万ポンドに達したらロールスロイスを買ってあげると冗談のように言いました。
その話から1年後、ジャック・ウィン・ウィリアムズが兄弟を訪ね、打合せの最後に、ロールスロイスのキーが彼に渡されたのです。
約束通り、新しいロールスロイスがJWW1という個人用ナンバープレートを付けて外に停まり、ジャックを待っていたのです。
どれほど大ヒットしたか...このストーリーが教えてくれますね。
◆BABYCHAM専用のグラスをつくる
次に兄弟が考えたのは、「BABYCHAM」専用のグラスを作ることでした。
当時人気のあったシャンパングラスをモデルに作られた「BABYCHAM」グラスは大ヒット。
当初200mlサイズで製造されていましたが、シャンパンの伝統的な計量単位が100mlだったことから、「BABYCHAM」とシャンパンの類似性に合わせて100mlに縮小されました。
以上が「BABYCHAM」についてでした。
実は「BABYCHAM」をどのように発音するか…
正しくは「ベイビーシャム」ですが、
日本では「ベイビーチャム」「ベビーチャム」と言われています。
どちらでも通じますが、
イギリスのディーラー、マイクが来日・来店した時に教えてもったところ…
※ベイビーシャム※ でした!